磁性がレーザー照射によって変わる「磁化反転」の仕組みを解明――スピンが流体のように振る舞う

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Credits: Ezio Iacocca; Pixabay

コロラド大学ボルダー校の科学者たちは、極薄の磁石をレーザーで照射すると、一時的に磁力を失い、その後再び磁力が復活し、磁性が反転する場合があるという現象の仕組みを解明した。この「磁化反転」は、レーザー照射によって磁石内のスピンが流体のように振る舞うためだという。

磁石内のスピンは本来秩序立っており、上か下のどちらか同じ方向を向いている。例えば、地球の磁場は常に北を向く。しかし、レーザー照射によってその秩序は崩れ、磁石内のスピンはあらゆる方向を向き、磁性が相殺されてしまう。

「関心があるのは、レーザー照射の後に何が起こるのか。そして、それがどのように回復するかだ」と、コロラド大学ボルダー校のEzio Iacocca氏は述べる。「レーザー照射の3ピコ秒後に何が起き、1マイクロ秒後に均衡状態に戻り、反転する仕組みの解明に取り組んでいる」と説明する。

研究チームはガドリニウム-鉄-コバルト合金の小さな破片にレーザーを照射し、その結果を数学的予測やコンピューターシミュレーションと比較した。 研究チームのMark Hoefer准教授によると、磁石の中のスピンはあたかも海の中でぶつかり合う波のように動き回り、向きを変えていた。

しばらく経ってスピンが落ち着き始めると、中のスピンが全て同じ方向を向いたクラスター、つまり中のスピンが全て上か下を向く「水滴」のような集合が形成される。そして水滴はどんどん大きくなって、「ある点で、磁石は再び上か下を向き始めた」とHoefer准教授。「スピンの動きをモデル化する数学的方程式を用いて、それらが超流動のように振舞うことを示した」と、その成果を説明している。

この磁化反転は、情報を0と1のビットでハードドライブに記録する技術に応用できる。研究チームは、このプロセスを解明し、より効率的に反転させる方法を発見できれば、今以上に高速なコンピュータを生み出せる可能性があるとしている。

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