自動運転車を受け入れるためには、「機械は人より優れている」と信じることが必要

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自動運転車が広く普及するためには、もっと多くの人が、少なくともいくつかの仕事においては機械が人間に勝ることを認める必要がある、との調査結果がペンシルベニア州立大学から出されている。調査は、機械が人間を凌駕できると抵抗感なく信じられる人々のほうが 高速道路でのロボットカーの存在を受け入れやすい、ということを示しているという。

ペンシルベニア州立大学サイバーサイエンス研究所のS. Shyam Sundar教授は、調査結果は自動車メーカーによる自動運転車の設計や政策立案者が自動運転車の受け入れの背後にある要因、大きな論争を巻き起こした概念を理解するのに役立てることができる、と説明する。Sundar教授によれば、「自動運転車のようなスマートな技術を強く好む陣営と、このような特に極めて重要な仕事のコントロールを機械に与えることに重大な懸念を持つ陣営」があるという。

研究者によれば、人によってはコンピューターと機械の有効性において条件反射的な信念を持っており、その信念が自動運転システムにも持ち込まれているという。研究論文の代表執筆者のAndrew Gambino氏は、「この研究で、自動運転車を受け入れるための最も強い予測因子は“ポストヒューマン能力”、すなわち、コンピューターが特定の仕事で人間を凌駕し、取って代わることができる、という信念だった」と述べる。

自動運転車を受け入れるということに関して、ポストヒューマン能力は自動運転は格好良いという考えや、新技術に対する一般的な受容度といった要因に比べて、2倍の効果がある。これに基づき、研究者たちはハンドルに代わる対話型装置の装備など、自動運転車のインテリアの再構想を提案している。

調査はAmazonの「Mechanical Turk」を使い、404人を対象に行われた。結果は2019年5月8日に英国のグラスゴーで開催された「ACM CHI Conference on Human Factors in Computing Systems」で報告されている。

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