大出力真空レーザー溶接技術を開発し鋼板生産に適用――クラッド鋼板の生産性が向上 JFEスチール

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真空レーザ溶接による良好な溶接部断面の例

JFEスチールは2019年5月22日、定格出力30kWの大出力レーザーによる真空溶接技術を開発し、クラッド鋼板の製造工程に導入したと発表した。同社によると、同出力クラスの真空レーザー溶接が鉄鋼生産ラインへ適用されるのは世界初だという。

JFEスチールでは、母材と合せ材の重ね合わせ面が清掃かつ真空密閉されたクラッドスラブを組み立て、熱間圧延を行って複合鋼板であるクラッド鋼板を製造している。合せ材と母材が良好に接合されたクラッド鋼板を得るためには、クラッドスラブ組み立て溶接における重ね合わせ面の全周にわたって、安定して深い溶込み(とけこみ)を持つ溶接部を形成することが必要だ。

真空レーザー溶接は高いエネルギー密度を得られることから、高速で深い溶込み溶接ができ、なおかつ溶接欠陥やスパッタが少ないために、優れた溶接方法だと考えられている。しかし、大出力レーザーを真空中で長時間照射し続けるために、集光レンズに局所的な温度変化が生じてビームの品質が変化し、良好な溶接部を得られなくなるという課題があった。

今回JFEスチールでは、照射用集光レンズなどの光学系部品設計を最適化。加えてそれらの部品の形状精度や使用中の温度変化を監視/制御することで、ビーム品質の変化を減少させることに成功した。また、レーザービームの形状、レーザー出力、溶接速度などの溶接条件を調整することで、溶込み形状を制御する技術を構築。これらにより、最適な形状を安定して得られる大出力真空レーザー溶接の条件を確立した。

JFEスチールでは、同技術をクラッドスラブ組み立て溶接に適用。2018年度に実際の生産プロセスに導入し、すでに1万8000トン以上のクラッド鋼板製造に適用している。同技術の導入によって、組み立て能率および品質が向上したという。

今後、これまで製造が困難とされてきたさまざまな合せ材を組み合わせたクラッド新商品の開発に貢献することが期待されるという。

クラッドスラブ組み立て溶接の模式図

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