富士経済は2019年6月24日、製造業向けロボットの世界市場調査結果を発表した。
調査では、2019年の製造業向けロボット世界市場は1兆2410億円、2025年には2018年比2.5倍となる2兆8675億円まで成長すると予測している。
2018年は、中国でのスマートフォン需要の落ち込みや、米中貿易摩擦の影響による設備投資抑制などの理由で成長が鈍化したものの、市場は拡大した。2019年にはスマートフォンの需要回復や米中貿易摩擦の影響緩和が見込まれることから、引き続き市場は拡大すると予測する。さらに、世界的な人手不足の深刻化と人件費高騰の影響で、ロボット活用は一時的なブームに終わることなく、継続的に拡大していくと同社は見ている。
分野別では、組立/搬送系で大きな市場拡大が期待され、現在需要が大きい自動車関連やスマートフォン関連だけではなく、人手不足が深刻化しているさまざまな分野に自動化ニーズが広がっていくと見込む。
その他、特に注目すべき市場としてヒト協調ロボットを挙げており、2025年には2018年比7.0倍となる4110億円にまで成長すると予測している。前述のように、人手不足によるロボットを活用した自動化ニーズが底堅い上に、人の作業工程や作業スペースにそのまま置き換えできるヒト協調ロボットは、さらに採用が進んでいる。従来この分野は欧州のメーカーが主流で市場の中心でもあったが、2017年以降多くの日系メーカーが参入したことで日本市場も拡大する見込みだ。