生分解性プラスチック素材「ポリ乳酸」を薄肉容器に射出成形する技術を実用化 日精樹脂工業

PLAを用いた薄肉透明容器の実用化事例

日精樹脂工業は2019年8月6日、植物由来で生分解性のあるプラスチック素材「ポリ乳酸(PLA)」を0.65mmの薄肉容器に射出成形する技術の実用化に成功したと発表した。同技術を活用すれば、使い捨てプラスチック容器の素材を石油系プラスチックからPLAに置き換えることができるという。

PLA(Polylactic Acid)は、トウモロコシやサトウキビなどから抽出したデンプンを発酵させて作った乳酸を重合(結合)したものだ。バイオマスプラスチックの一種であり、堆肥化(コンポスト化)によって生分解処理されるため、プラスチック容器に応用されれば、プラスチックごみの海への流出を防げる。

これまでPLAの用途は、押出成形機やインフレーション成形機などによって作られる包装用フィルムや農業用シートが大半だった。石油系プラスチックよりも耐熱性と耐衝撃性が低い点や、流動性や離型性も悪く深物成形や薄肉成形が難しい点が課題となり、PLAの射出成形での用途は限られていた。

このような背景のもと、日精樹脂工業は使い捨てプラスチック容器の素材をPLAに100%置き換えることを目的に、PLAを薄肉容器に射出成形する技術を開発した。新技術では、超臨界状態のCO2を溶融状態のPLAに混入し射出することで流動性を確保し、世界最薄レベルという0.65mmの薄肉容器成形を実現。しかも優れた透明性を確保した。

この技術の実用化にあたって、日精樹脂工業は小松技術士事務所と連携。同事務所の射出成形機や成形加工技術、PLA成形加工に関する特許などを活用することで、実用化に成功したという。

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