特殊粘接着/封止材の世界市場、2024年には139億6460万ドルに――特殊化、高機能化、高付加価値化要求が進展 富士経済調査

富士経済は2019年8月6日、特殊粘接着/封止材の世界市場を調査し、その結果を「2019年 特殊粘接着・封止材の市場展望」として発表した。それによると、2024年の世界市場は、粘接着/封止材の特殊化、高機能化、高付加価値化要求が進展することで2018年比31.6%増の139億6460万ドルに達すると予測している。

富士経済は、2018年の特殊粘接着/封止材の世界市場を、2017年比104.1%の106億740万ドルと報告。各分野で粘接着/封止材の特殊化、高機能化、高付加価値化要求が進展し、市場の動きが活発化していると説明している。今後も、分野に限らず市場は拡大していくとみている。

分野別で自動車分野は、異種材料接合や環境適応、作業性の向上ニーズの高まりなどにより特殊粘接着/封止材の採用が増えていると報告。今後は、車載ディスプレイの大型化や搭載率の上昇に伴い車載ディスプレイ用接着剤(OCA・OCR)が伸びるとみている。

エレクトロニクス分野では、家電、自動車、ロボットなどによる半導体の需要増から、パワーデバイス用封止材などが伸びていると説明。今後は、中国のスマートフォンメーカーなどによるフレキシブルOLED(有機発光ダイオード)の搭載増から、フレキシブルOLED用封止材やフレキシブルOLED用OCAなどが伸びるとみている。

その他分野では、医療での患者ケアの向上により低刺激医療テープ用粘着剤が伸びていると報告。また、3Dプリンター用材料や放熱接着剤なども需要が増加しているという。さらに、中国やその他アジアでの紙おむつの需要の高まりから、衛材用接着剤が伸びるとみている。

また、注目市場として、CFRP(炭素繊維複合材料)用接着剤、狭額縁用接着剤、衛材用接着剤を挙げている。

自動車用途を対象としたCFRP用接着剤は、欧州を中心とて拡大していると報告。今後も、CFRP製自動車部品の採用に積極的な欧州や北米の自動車メーカーが需要を牽引し、2024年には2018年比158%の7900万ドルに達するとみている。

スマートフォンなどのディスプレイと筐体の接合に使用される狭額縁用接着剤は、スマートフォンの狭額縁化の進展によって拡大。大手スマートフォンメーカーも採用を積極的に進めており、2024年には2018年比2.2倍の5970万ドルに及ぶと予測している。

紙おむつなどに用いられる衛材用接着剤は、中国を中心としたアジア諸国の経済発展によって需要が増加。2024年には2018年比134.1%の36億440万ドルに達すると予想している。

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