水素燃料関連の国内市場、2030年には4085億円規模に――水素ステーションの設置増加、水素燃料の用途の広がりが予想される 富士経済調査

富士経済は2019年8月9日、国レベルでの積極的な取り組みにより拡大が予想される水素燃料関連の国内市場の調査結果を「2019年版 水素燃料関連市場の将来展望」にまとめたと発表した。

調査では、水素燃料と水素利用や水素輸送、水素供給で使用される関連設備機器の市場の現状を分析し、将来を予測。また、水素燃料の普及拡大の鍵となる水素ステーション(ST)についてタイプ別にロードマップの詳細を整理している。

経済産業省が策定した「水素基本戦略」に基づき、水素利用拡大のための取り組みが積極的に進められている。それとともに、水素燃料を日本のエネルギー供給事業においてどのように位置づけるかが、国や自治体、業界全体が議論進んでいる。そうした中、温暖化対策やエネルギー基本計画をもとに、2030年に向けて進む再生可能エネルギーの導入拡大、電力改革の中で実証や制度設計を経て、日本モデルを構築することが必要とされている。

調査では、2030年度市場の水素燃料関連は4085億円(2018年度比56.0倍)、水素燃料は1863億円(同372.6倍)、商用水素ステーションは385億円(同7.7倍)、小型水素ステーションは116億円(同11.6倍)と予測している。

水素燃料関連市場は「水素燃料」、輸送設備や輸送用高圧容器を対象とする「水素輸送」、水素STやR水素・P2Gシステムなどを対象とする「水素供給」、水素発電と車載関連機器を対象とする「水素利用」の各市場を捉えた。

2017年度は商用水素STの新設がやや停滞し市場は縮小したが、2018年に日本水素ステーションネットワーク合同会社が設立され、商用水素STの整備が進み、2018年度の水素燃料関連市場は2017年度比46.0%増の73億円となった。当面は水素STを軸とした「水素供給」の伸びが市場拡大をけん引するという。

「水素燃料」は、FCVやFCバス・トラック向け、そして水素発電向けの需要も高まり2030年度には市場全体の45%以上を占めると予想。「水素利用」は、水素発電がCO2削減を目的とするニーズを受けて伸びるとみている。「水素輸送」も2030年度には800億円を超えると予測している。また、水素の商用規模での利用には海上輸送による輸入が必要となるため、輸送設備や輸送用高圧容器の需要が高まるとみている。

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