- 2019-8-27
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- 3Dプリント, Arduino, Gianluca Memoli, SIGGRAPH 2019, サウンドプロジェクター, サセックス大学, 音響レンズ(Acoustic lense), 音響望遠鏡
英サセックス大学の研究チームは、人物の動きを追跡して音響メッセージを届けることのできる「サウンドプロジェクター」を考案、2019年7月28日~8月1日にロサンゼルスで開催された「SIGGRAPH 2019」で発表した。
このサウンドプロジェクターは、2つの音響レンズ(Acoustic lense)を使って目標とする人の頭部前方に直径約6cmの音の領域を作り、雑踏の中でも特定の個人向けに音響メッセージを伝えることができるというものだ。
更に、このサウンドプロジェクターはカメラで人物の動きを追跡し、移動する目標でも音の焦点を合わせることができる。カメラには10ポンドで買える安価なウェブカメラを使い、音響レンズは3Dプリント製で100ポンドほどと、標準的な追跡システムの10分の1の予算で製作できたという。
音響レンズは、周囲の媒質と音速の異なる媒体を使って音波を屈折させ、集束/発散させる仕組みだ。機能的には光学レンズと変わらない。研究を主導したサセックス大学のGianluca Memoli博士によれば、音の波長より小さいスケールの音響材料で薄型の音響レンズを作れば、音響アプリケーションの可能性は無限に広がるという。
現在のサウンドプロジェクターは望遠レンズ付きのカメラのような形をしており、後方にスピーカー、追跡用カメラ、および音響レンズのひとつが収容されている。前方の白い部分がもうひとつの音響レンズで、2つの音響レンズが「音響望遠鏡」を構成している。
サウンドプロジェクターは、独自の顔認識ソフトウェアが目標を追跡し、音響望遠鏡の音響レンズ間の距離をArduinoで操作して音の焦点を合わせる。
Memoli博士は、「我々は、このテクノロジーが群衆の中の個人に向けたアラームメッセージ、ヘッドホンを使わない没入型体験、特殊効果相当のオーディオなど、多くの有望なアプリケーションに活用できると考えている」と説明する。
研究チームは現在、ほとんどのスピーチと基本的なメロディーをカバーし、最終的には音楽を伝達できるよう、サウンドプロジェクターの機能拡張に取り組んでいる。
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