ゲーミングやウェアラブルを革新する――グラフェンリボンを使った世界最小の加速度計

スマートフォンに使われる加速度計は、一般的にMEMS(微小電気機械システム)技術で作られているが、スウェーデン王立工科大学(KTH)は、ドイツのアーヘン工科大学と共同で、MEMSより2桁小さいNEMS(ナノ電気機械システム)加速度計を開発した。

この加速度計は、シリコン試験質量(silicone proof mass)を取り付け懸架された二重層のグラフェンリボンを、ばね質量とピエゾ抵抗素子を組み合わせたトランスデューサーとして使用する。これにより、大規模半導体製造技術を使って作製されるトランスデューサーのダイ面積は、最新技術によるシリコン加速度計よりさらに2桁小さくなるといいう。研究論文は、2019年9月2日付けのオンラインジャーナル『Nature Electronics』に掲載されている。

論文の筆頭著者のXuge Fan博士は、「原子スケールの薄さの材料を使用したこのピエゾ抵抗型NEMS加速度計は、今日利用可能などんなMEMS加速度計よりも小さいにも関わらず、システムに要求される検出感度を保っている」と、説明する。

Fan博士によれば、この加速度計は携帯電話、モバイルゲーム、歩数計などの機器に加え、心臓病のモニターやモーションキャプチャーのウェアラブルデバイスなど、身体の僅かな動きもモニターできる監視システムにも役立てることができるとしている。

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