- 2019-10-8
- 技術ニュース, 機械系, 海外ニュース
- Chi Hwan Lee, NPG Asia Materials, Purdue Research Foundation Office of Technology Commercialization, ジョージア大学, テキサス大学, パデュー大学, 学術, 義手, 電子グローブ(e-グローブ)
義手に装着することで、人間の手のような柔らかさや温かさ、外観を備え、圧力や温度などを感知することができる電子グローブ(e-グローブ)が開発された。この研究は、パデュー大学 工学部のChi Hwan Lee助教らが、ジョージア大学、テキサス大学と共同で行ったもので、『NPG Asia Materials』の2019年8月30日版に掲載された。
上肢切断者は、日常生活の困難を回避するため、しばしば義手等を使用するが、現在の義手を着用することに不快感を抱いているユーザーも少なくないという。
今回開発されたe-グローブは、市販のニトリル手袋の上に、薄くて柔軟なセンサーと小型回路チップを構築したもので、専用の腕時計に接続されている。センサーは、圧力や温度、湿度、各種生体信号などを収集し、これらの感覚データは、腕時計を通じて送信される。腕時計では、感覚データのリアルタイム表示と、データ処理後のユーザーへのリモート送信が可能だ。
これらの機能により、e-グローブは圧力や温度などの感覚認知を提供すると同時に、どんな手の形にもフィットし、リアルな人間の手のような柔らかさ、外観、さらに温かさも持つものとなった。さまざまな肌の色調で、本物そっくりの指紋と人工爪も備えている。
このe-グローブは大量生産が可能で、手頃な価格で義手に付け加えることができる。Lee助教らは、Purdue Research Foundation Office of Technology Commercializationでこの技術の特許を取得するために活動している。チームは、e-グローブの使用を検証し、グローブの設計を最適化していくために、臨床試験や義肢分野の専門家と協力するためのパートナーを探しているという。
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