インタラクティブなデバイスを実現する人工皮膚インタフェースを開発

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人工皮膚インタフェース”Skin-On Interface”により、様々な手振りを入力信号に変換する手法が考案された。Credit: University of Bristol

英国ブリストル大学の研究チームが、テレコム・パリテックおよびソルボンヌ大学と共同で、人工皮膚インタフェース「Skin-On Interface」を開発した。人間の触覚機能を模擬した多層の人工皮膚を作成し、様々な指の動きを入力信号に変換するもので、スマートフォンやウェアラブル端末等とのインタラクティブな情報伝達を進化させると期待される。研究成果は、2019年10月20日~23日にニューオーリンズで開催された、ACMのユーザーインタフェース国際会議UIST 2019で発表された。

今回研究チームは、人工的に皮膚を作り、ユーザーとデバイス間の新しいインタフェースとして活用することにチャレンジした。「誰でも良く知っている通り、人間の皮膚は外部からの刺激を脳に伝える、非常に優れた高機能のインタフェースだ」と、ブリストル大学工学部のAnne Roudaut准教授は語る。「人工皮膚は、ロボット分野で広く研究されてきたが、安全やセンサー、化粧品といった観点が中心だ。私たちはインタラクティブなデバイスを進化させるために、新しい入力手法としてリアルな人工皮膚を追求した」という。

研究チームは、人間の皮膚を生物学的な観点から解析し、人間の皮膚を模擬する多層構造のシリコーンメンブレンを作成した。これは、表面触感層、圧力と場所を検知する導電繊維層、および筋肉運動知覚を与える皮下組織層から構成されており、硬質のケースよりも天然に近いだけでなく、ユーザーの様々な指の動きを感知することができる。すなわちユーザーの指の圧力と場所を“感じる”ことで、くすぐったり、撫でたり、捩じったり、つねったり、といったアクションを検知できる。

そして研究チームは、この人工皮膚インタフェースを用いて、スマホケースやタッチパッド、スマートウォッチを製作して、指の動きによる信号入力が、どのように伝達できるかを実証した。その結果、タッチの強度で、絵文字の大きさを制御でき、強く握ると怒りを、くすぐると笑いを、軽く叩くと驚きの絵文字を表示させることができた。「これまでの工学は、機械を進歩させることによって、それを扱う人間の能力を高めてきたが、この研究では、日常使用するデバイスを人間に近づけることを追求した」と、Roudaut准教授は説明する。

論文には、この研究を再現するのに必要な、全ての詳細なステップが記載されており、研究チームは、人工皮膚インタフェースに興味のある企業との共同開発を期待している。こうした触覚インタフェースが普及するのは、それほど遠くないのかも知れない。

関連リンク

Artificial skin creates first ticklish devices

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