石油使用量0、100%天然バイオマスの生分解性セルロース系樹脂を開発――セルロースナノファイバーとの複合材料も開発 GSアライアンス

生分解性セルロース系樹脂(左)ペレット(右)ダンベル試験片

GSアライアンスは2019年11月13日、100%天然バイオマス組成の生分解性セルロース系樹脂を開発したと発表した。

海洋のマイクロプラスチックによる生態系破壊など、プラスチックゴミの問題は、世界的に深刻化している。また、プラスチックのほとんどは、石油由来の原料から生産しているため、製造に必要な消費エネルギーが多く、CO2も大量に排出する。

一方、植物資源を原料に用いたバイオプラスチックは、再生可能、かつCO2排出量の削減が可能だ。しかし、現在の主要なバイオプラスチックは、ポリ乳酸やデンプンといった、穀物、芋類、サトウキビなどの食料資源が原料であることが問題だった。そのため、非可食性植物の茎や木材が主成分であるセルロース系の生分解性樹脂が、資源の豊富さやコストの低さから理想とされている。

そこで、GSアライアンスは今回、添加剤なども含めて石油を全く使用していない生分解性セルロース系樹脂を開発した。また、通常のプラスチック同様、熱可塑性を有することも確認している。さらに、セルロースナノファイバーと樹脂を複合化する同社独自の技術を応用。熱可塑性と石油0組成を維持しながら、機械的強度を向上させた複合材料の開発にも成功している。

開発した樹脂は今後、サンプル出荷を進めるとともに、機械的強度・結晶性・耐熱性・寸法安定性・成形性などの機能向上を検討していくという。また、カトラリー・皿・ボトル・袋・フィルムなどの各種成形品の材料に用い、GSアライアンスのブランド「Nano Sakura」としてビジネス展開していくと説明している。

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