- 2019-11-25
- 化学・素材系, 製品ニュース
- JX金属, レーザーメタルデポジション方式, 仮焼結抑制, 表面酸化防止, 金属3Dプリンタ, 金属3Dプリンター用純銅粉, 電子ビーム方式, 高密度造形
JX金属は2019年11月22日、3Dプリンターで作製された造形物の密度不足を解決する、金属3Dプリンター用純銅粉を開発したと発表した。
金属3Dプリンターの実用化を望む声は多く、実際に航空分野や自動車分野、医療分野などでの採用も始まっている。一方、金属3Dプリンティングの材料となる金属粉の製造は、いまだ技術面での課題が多く、特に純銅粉を用いた3Dプリンティングは、造形物の相対密度が低いことが問題となっていた。
そこでJX金属では、粉体の表面に特殊な表面処理を施し、表面の酸化を防止する技術を銅粉に応用。電子ビーム方式で造形を行ったところ相対密度で99.94%を達成し、かつ仮焼結(造形の前工程となる予備過熱プロセス時に発生する銅微粉同士の固着)を抑制できたという。
また、レーザーメタルデポジション方式での造形でも相対密度98.56%という高い結果が得られた。今後は、サーバー用のヒートスプレッダーや自動車用の水冷冷却ユニットなど、さまざまな用途での活用が期待できるとしている。なお、2020年年頭を目途にサンプル品の提供を開始する予定だ。