本物の金属のように印刷できる――光の透過性を実現した金属調印刷技術「METALFACE」 技光堂ら

技光堂は2019年11月29日、Kenmaと共同で、光を透過する機能を持つ金属調印刷技術を活用した、ITプロダクト向けのインターフェイス事業「METALFACE(メタルフェイス)」を発表した。技術の詳細やプロトタイプなどを、国際展示会「高機能素材week2019 第8回高機能プラスチック展」で同年12月4日に発表する。

メタルフェイスは、透明な樹脂表面に対してまるで金属のように印刷でき、金属にはない「光を通す機能」を持つことが特徴だ。

メタルフェイス印刷技術を使えば、透明樹脂素材に立体感(エンボス調)のある印刷と金属と見間違えるほどの高精細な金属調の印刷ができる。

金属柄を独自に解析して印刷用の特殊なデータを作成し原版を作成。それを基に独自の特殊なメタリックインクを使用して印刷する。この印刷技術は特許申請中で、世界にも例が無いという。

光の透過技術は、さまざまな光源をもとに透過率を検証、異なる光源(強弱)に対して、それに合わせた透過率を調整することを研究し、光を透過して印刷できるように開発された。

さらに、メタルフェイスは複雑な金属加工も容易に表現できるという。従来、金属で作成していた、ヘアライン/スピン/バイブレーション/鏡面/エッチング/エンボスなどのさまざまな処理を全て印刷で表現できる。また、独自の印刷パターンとインクの厚さを調整することで、光と影を生み出し立体感を出している。

もう一つの特徴は、金属よりも安価で軽量、環境にも優しいことだ。メタルフェイス印刷を利用すれば、金型作成は不要となるため、初期費用を安価に抑えられる。製品の軽量化、薄型化、着色も可能。印刷面が平滑なので、表面汚濁も防止でき、金属のような腐食もない。金属エッジングなどで使用する強い薬液や廃液などの有害物質も出ない。

今後、生活にIoTが浸透するに伴い、光と電波の透過が可能かつデザイン性を兼ね備えたインターフェイスが求められるようになり、メタルフェイスは、そのニーズに応える画期的な技術になるとしている。

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