10分間の充電でEVを300キロ以上走行させる技術を開発

IMAGE: CHAO-YANG WANG LAB, PENN STATE

米ペンシルベニア州のElectrochemical Engine Centerは、EVを10分間の充電で200~300マイル(約320~480キロ)走らせることができる技術を開発したと発表した。充電サイクル2500回、50万マイル相当を維持してこれが可能であることを実証した。研究成果は2019年10月30日、『Joule』誌に掲載された。

この研究は、機械工学のWilliam E. Diefenderfer教授、化学工学の教授でセンター長のChao-Yang Wang氏らのチームによるもの。EVに搭載されているリチウムイオン充電池は、周囲温度が50F(約10℃)以下の低温時に急速充電されると劣化が進むことがわかっている。これは、アノード表面にリチウムが析出して電池容量が低下するためで、これにより内部ショートを引き起こす可能性もある。

一方で、ある程度の温度以上に加温されたバッテリーは、それが外部加熱か内部発熱かによらず、リチウムの析出を抑制する。ただし、長時間高温に加熱されても、バッテリーの劣化は進んでしまう。

今回、同研究グループは、バッテリーを10分間で華氏140F(約60℃)まで加熱し、その後急速に冷却することで、リチウムの析出を抑え、バッテリーの熱劣化も起こらないことを見出した。バッテリーを外気温まで急冷するため、EVに冷却システムを組み込むことは難しくはない。加熱するためには、バッテリーセルの外側に薄いニッケル箔を配置し、温度センサーで制御をする回路があればよい。

短時間である程度の走行距離を可能にする急速充電技術は、EVの幅広い普及のための鍵となる。10分間の充電で200マイル以上走行できれば、長距離走行で「電欠」してしまって動けなくなる恐れもなくなるだろう。

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In and out with 10-minute electrical vehicle recharge

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