- 2019-12-16
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- メイク・イン・インディア, メカトロニクスパーツ, 富士経済, 市場実態総調査, 米中貿易摩擦
富士経済は2019年12月13日、FA設備の構成部品であるメカトロニクスパーツの市場を調査し、その結果を「2019年 注目メカトロニクスパーツ市場実態総調査」にまとめたと発表した。
同調査では、コントローラー領域6品目、ドライブ領域8品目、メカニカル領域4品目、センサー領域7品目、受配電機器領域5品目の市場の現状を分析し、将来を予想している。なお、市場は国内市場+日系メーカー海外実績としている。
2017年から2018年前半にかけて工作機械、半導体/液晶製造装置の需要が急増したことにより、装置メーカー、部品メーカーの受注は生産能力を上回るほどの好調となった。
2018年後半に入ると半導体/液晶関連市場の停滞や、米中貿易摩擦の影響を受けた世界的な設備投資抑制によって、メカトロニクスパーツの需要も減少した。しかし、前半の実績や受注残の消化により、2018年の市場は2017年比1.7%増の2兆1149億円となった。
2019年は、米中貿易摩擦の出口が不透明であることの影響を受け、工作機械や半導体/液晶関連のみならず、一般産業機械も含めた製造業全体で設備投資が抑制されており、2018年比10.4%減の1兆8939億円が見込まれると説明。2020年以降、徐々に回復に向かうと見ており、2022年の市場は2兆995億円と予測している。
市場環境が厳しい中、参入メーカーは従来のコンポーネンツ販売から、関連製品をパッケージ化したシステム提案、コンサルティングまで含めたソリューション展開など、ビジネスモデルの変革を進めているという。製造業のデータ活用拡大に対応した製品/サービスの拡充、M&Aによる先端技術の取り込みも図られ、デジタル化/IoT化に向かう世界の潮流への対応が強化されていると分析している。
領域別では、ドライブ領域の市場構成比が大きく、2019年はACサーボモーターやACサーボドライバーなどの需要減少が影響し、2018年比13.6%減と大きく落ち込むと予測。コントローラー領域やメカニカル領域も2018年比10%弱の市場縮小が見込まれるとしている。
一方、センサー領域の固定式コードリーダー、受配電機器領域の産業用配線用遮断器や産業用漏電遮断器は2018年比プラスが見込まれると報告している。
日系メーカーの海外実績エリア別の調査では、中国が鍵を握るとしている。中国は製造業の活性化を推進し、半導体や二次電池など先端製品の生産に意欲的であるが、米中貿易摩擦の影響などにより2019年の需要は低迷している。中国市場への依存度が高い欧州や東南アジアも同様に、2019年の市場は低調、韓国においては日韓関係の悪化がマイナス要因となっているという。北米は中国市況の影響を受けにくく、独立した市場トレンドを持っていることから、日系メーカーにとって魅力的なエリアとなると見ている。
インドは中国に次ぐ人口規模を誇り、また「メイク・イン・インディア」政策により外国資本の誘致に積極的であるため、ネクストチャイナとして注目度が高まっているという。