- 2020-1-25
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- ArcheoConsultant, Karol Juchniewicz, Mohammad bin Rashid al Maktoum, アラブ首長国連邦(UAE), サールーク・アル・ハディード遺跡, スラグ, ドバイ, ポーランド科学アカデミー地中海東洋文化研究所, リサイクル, ルブアルハリ砂漠, 冶金, 陶磁器
ポーランドのArcheoConsultant研究責任者であるKarol Juchniewicz博士は、2020年1月4日、アラブ首長国連邦(UAE)のドバイにあるサールーク・アル・ハディード遺跡から出土した遺物の中に、壊れた陶磁器を新たな道具に作り替えていた物があったと発表した。
壊れた陶磁器を捨てずにわずかな修正を加えて再利用したと考えられ、「数千年前にここに住んでいた人たちが、リサイクルを実践していたというのは興味深い」とJuchniewicz博士は語っている。
また、今回の発掘では約2600個もの金属遺物も発見されている。武器、装飾品、宝飾品に加え、ヘビの置物など呪術的儀式に使うような物もあったという。これらの出土品はおよそ3000年前に作られたとみられるが、この場所で冶金活動が約1000年前まで継続していたことも研究者たちは確認している。
この冶金を行っていた場所は、2002年にドバイ首長国のMohammad bin Rashid al Maktoum首長が、ヘリコプターでルブアルハリ砂漠上空を飛行中に発見した。砂丘の位置が不自然で、砂丘の間に多数の黒い石があることに気づき、研究者たちに報告したという。
研究者たちは、その黒い石が金属を製錬する過程の副産物であるスラグであることを発見。そこには大規模に金属が製錬されていたことを示す物が大量に存在していたという。
また、この地域が繁栄していた頃、おそらくオアシスが存在しており、数多くの木々に湖もあったと報告されている。
次の発掘調査は2020年1月に予定されており、ポーランド科学アカデミー地中海東洋文化研究所の協力の下で実施される。
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