- 2024-2-1
- 技術ニュース, 機械系, 海外ニュース
- DragonFire, Leonardo, MBDA, QinetiQ, イギリス国防省, イギリス陸軍, レーザー指向性エネルギー兵器(LDEW: Laser Directed Energy Weapon)システム, 国防科学技術研究所(Dstl), 軍需産業
イギリス国防省は、2024年1月19日、レーザー指向性エネルギー兵器(LDEW: Laser Directed Energy Weapon)システム、「DragonFire」の試射に成功したと発表した。この試射は、空中の標的に向けて高出力で発射したもので、イギリスで初の事例となった。
DragonFireの命中精度は、1km先に置いた1ポンド硬貨(直径22.5mm)にレーザーを命中させるレベルだ。エネルギーコストは、10秒間のレーザー発射で、通常のヒーターを1時間使用した場合に相当し、運用コストは、1回の発射で10ポンド(約1900円)未満となる。
開発体制には、複数の業界パートナーが参加している。イギリスの国防科学技術研究所(Dstl)による先導のもと、軍需産業の各企業、英MBDA、伊Leonardo、多国籍企業のQinetiQらが参加している。
DragonFireを導入する利点は、高い射撃精度により巻き添え被害のリスクを低減できる点だ。また、これまでミサイルが担ってきた任務に対して、長期的かつ低コストの代替手段となる可能性がある。
今回の試射は、空中の標的に対する攻撃能力を実証した点で、実用化に向けた大きな一歩となったかたちだ。イギリス陸軍と海軍は、将来の防空能力の一部として、同技術の採用を検討している。