東レは2020年1月27日、高融点ポリアミドをマイクロレベルで真球粒子化する技術を開発したと発表した。
現在化粧品の滑剤や3Dプリンター用造形材料など用いられているポリアミド粒子の多くは、低融点ポリアミド(ポリアミド12)の不定形状の粒子だ。しかし、流動性や均質充填性に優れた真球形状の方が3Dプリンター造形物の高品質化には適しており、さらに実用品向けには耐熱性や強度に優れた高融点ポリアミド粒子が必要とされている。しかし従来、高温での取り扱いが必要な高融点ポリアミドの真球化は困難だった。
今回同社は、ポリアミドの重合技術をベースに研究を重ね、モノマーからポリアミドを重合するのと同時に真球粒子を作製する技術を開発した。同技術は高温にも対応できるために、高融点ポリアミドのポリアミド6やポリアミド66の真球粒子化も可能だ。また、平均粒径を数μmから数百μmの範囲で任意にコントロールでき、粒径が揃った粒子も作成できる。
同社では今回開発した技術を適用して作製したポリアミド6粒子を造形材料にして実際に3Dプリンターで造形物を作製。造形物の耐熱性と強度が向上することを確認している。今後、自動車などの実用部品への適用を目指し、スケールアップ技術の確立を進める。