ソフトバンクは2020年2月6日、同社子会社のHAPSモバイルと米Alphabetの子会社であるLoonが共同で、ソーラーパネルを搭載した成層圏通信プラットフォーム向け無人航空機「HAWK30」用のペイロードを開発したと発表した。
このペイロードは、さまざまなコンポーネントで構成され、成層圏に浮かぶ基地局の役割を果たす。
例えば、ミリ波の通信システムにより、機体と地上の通信接続ポイント間のバックホール回線を提供するほか、成層圏で飛行する複数の機体間の通信を実現する。
また、ペイロードに搭載されている高精度アンテナにより、最大700kmの距離のP2P通信において、最大1Gbpsのデータ通信速度も達成する。
さらに、通信維持のために、機体の動きに合わせてペイロードのアンテナが自動追従するように設計されている。
これらの技術は、Loonの成層圏気球ですでに活用されており、地上の通信接続ポイントや、隣接する機体間の安定した通信接続が実証されている。直近で行われたLoonの実証実験では、4000kmの範囲にわたって浮遊する20機の成層圏気球の接続にも成功した。
今回開発されたペイロードは、3GPP準拠のさまざまな周波数帯に対応するように設計されたLTE通信システムを備え、HAWK30は地上にあるスマートフォンなどの携帯端末に直接LTEの通信ネットワークを提供することができる。
このペイロードとミリ波の通信システムを組み合わせることで、通信ネットワークが整っていない場所や地域にいるスマートフォンの利用者に対して、安定したインターネット接続環境を構築することが期待できる。