NASA、宇宙空間で宇宙船を建造する実験計画を始動

Credits: Maxar Technologies

NASAは、2020年1月31日、米コロラド州のMaxar Techologiesに、通信アンテナをロボットで組み立て、軌道上で宇宙船の梁を建造する契約を1億4200万ドル(約156億円)で発注したと発表した。この計画は、地球低軌道で他の人工衛星に燃料補給するNASAのロボット衛星Restore-Lで実証される予定だ。

Restore-Lは、「Space Infrastructure Dexterous Robot(SPIDER)」と呼ばれる軽量ロボットアームを搭載するために改造されるという。積載される軽量ロボットアームの長さは5m。地上実証実験において「Dragonfly」という名称で知られていたSPIDERは、複数のリフレクターをロボットアームで組み立てて3mの通信アンテナを構築し、そのアンテナで地上ステーションとのKaバンド伝送を実証する予定だ。

さらに、米ワシントン州のTethers Unlimitedが開発した技術を用いた10mの軽量複合梁もSPIDERを使って建造する予定で、組み立て実証試験によって軌道上で巨大宇宙船を建造する能力を検証するようだ。

NASAの宇宙技術ミッション局(STMD)のJim Reuter副局長は「打ち上げた後に、より大型で丈夫な部品を使って宇宙船を組み立てられることを証明することで、私たちは宇宙技術においてアメリカの世界的なリーダーシップを継続して発揮します。この技術の実証試験は、宇宙でのロボットの可能性を切り開くものとなるでしょう」と語る。

実証試験によって、月と火星における有人探査や宇宙空間での大型望遠鏡建設のような官民ミッションのための、分野を横断した応用技術が成熟するだろうとしている。

Restore-Lプロジェクトでは、宇宙で衛星に燃料補給等を可能にするための一連の技術を開発中で、2020年代半ばの打ち上げを目標としている。

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NASA Funds Demonstration of Assembly and Manufacturing in Space

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