太陽光を動力とした「羽ばたく翼」――柔軟な薄膜状の光駆動アクチュエータを開発

常州大学と江蘇大学は共同で、太陽光を動力とする小型の光駆動アクチュエータを開発した。蝶の羽のように羽ばたくことから、「FBBW(Flexible Bio-Butterfly-Wing)」と呼ばれるこのデバイスに関する研究は、2020年1月16日に『ACS Applied Materials & Interfaces』に掲載された。

光を直接、機械的な動きに変換する光駆動アクチュエータは、ワイヤレスで制御が容易なため、注目を集めてきた。ただし、継続して動作させるためには、オンオフできる強力な光源、あるいはハードウェアを追加する必要があった。

今回研究チームは、薄いポリマーシートをナノ結晶金属膜でコーティングすることで、追加のハードウェアを必要とせず、通常の太陽光によって羽ばたく動きに変換できるFBBWを開発した。

長方形としたFBBWの一方の端を土台に固定し、疑似的な太陽光を照射することで、FBBWの温度が上昇、金属層とポリマー層の熱膨張が大きく違うことから、フリーな端は丸く曲がる。この動きによってカーブした下の部分の金属層に陰を作り、温度が下がることで再び元の形状へと展開する。この連続したサイクルによって、実際の蝶の羽ばたきよりも早く動作するアクチュエータとなる。

研究チームはFBBWを用いて、光駆動の風車とヨット、太陽光を電流に変換するデバイス等を作って、デモンストレーションを行った。将来的には、例えば空飛ぶ動物のロボットや太陽エネルギーを得るためのデバイスに活用できる技術だとしている。

関連リンク

関連記事

アーカイブ

fabcross
meitec
next
メルマガ登録
ページ上部へ戻る