NASA、有人火星探査ミッションに向けてレーザー通信用アンテナを建設

Credit: NASA/JPL-Caltech

NASAは2020年2月、地球と火星、宇宙空間を航行する探査機との高速通信を実現するため、レーザー受信機能を備えた新しいアンテナの建設に着手した。

NASAのディープスペースネットワーク(DSN)は、1960年代から深宇宙の探査のために、カリフォルニア州ゴールドストーン、スペイン・マドリード、オーストラリア・キャンベルの3カ所に地上局を設置することで、地球の自転に関わらず常に探査機と電波で交信できるようにしている。

「DSNは、地球とボイジャーや火星探査ミッション、ニューホライズンズといった宇宙探査機をつなぐ1本の電話回線だ」と、NASAジェット推進研究所(JPL)のLarry James副所長は語る。探査ミッションの数が増えれば増えるほど、より多くのアンテナが必要になるため、順次増設しているという。

今回建設する新しいアンテナ「DSS-23」はゴールドストーンに設置し、主鏡の大きさは34mだ。電波望遠鏡として機能するほか、探査機からのレーザー通信を受信するための装置も備える。完成は2022年で、同年に打ち上げる小惑星探査機とのレーザー通信から運用開始する予定だ。

また、有人火星探査ミッションでは、地上の管制官と宇宙飛行士との間で頻繁な交信が想定される。レーザー通信を使えば、無線通信に比べてデータレートを10倍高くすることができるといい、月や火星探査をはじめ、将来の深宇宙探査における光通信のプラットフォームとなることが期待される。

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