工業材料内部の硬さ分布を3次元解析するシステムを開発――鉄鋼産業における製品の安全性に寄与 関西大学など

関西大学は2020年3月10日、同大学システム理工学部と理化学研究所 光量子工学研究センターの研究グループが、工業材料内部の硬さ分布を3次元解析するシステムを開発したと発表した。コンピュータシミュレーションにより、材料内部の正確な応力解析が可能となる。

同研究グループは、これまでにも鏡面加工と撮像を1µm以下の精度で行い、3次元の画像処理までを完全に自動化した観察システムを開発している。今回はこのシステムに分解能1nmのステージ、感度0.1mN(≒10mgf)の微小力センサーからなる硬さ計測部を搭載し、新たに安定的な制御方式を確立した。

硬さ計測部

この結果、鏡面加工や観察に加えて硬さを多断面にわたって計測することが可能な、シリアルセクショニング法による硬さ計測型3次元内部構造顕微鏡システムの開発に成功した。構造物の硬さや強度の分布を“見える化”することで、鉄鋼産業における素材および製品の安全性のさらなる向上などに寄与することが期待される。

なお、今回の研究開発は内閣府の戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)のプロジェクト「統合型材料開発システムによるマテリアル革命」の一環として行われたもの。開発には高島産業も協力している。

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