人工衛星からスーパーヨットまで――設計期間の短縮と品質向上に有効な「コンカレントエンジニアリング」

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欧州宇宙機関(ESA)は2020年2月27日、オランダの造船業者のRoyal Huismanが、ESAが宇宙ミッションのために開発した「コンカレントエンジニアリング(Concurrent Engineering)」を、スーパーヨット「Sea Eagle II」の設計に適用したことを発表した。Sea Eagle IIは、長さ81m、3本のマストを備えた世界最大級のアルミニウム構造ヨットとなる。

従来の設計では、1つのチームの業務が完了した後、それを次のチームに渡すというシーケンシャルな手法が主流だ。この手法では、次工程からのフィードバックの確認と、それに伴う設計調整が必要で、プロセスの完了まで時間がかかるため、時間的に余裕のない大型ヨットの設計、建造にはあまり適したプロセスとは言えない。

今回採用されたコンカレントエンジニアリングは、オランダにあるESAのテクニカルセンターESTECの伝統あるConcurrent Design Facility(CDF)によって指導されたものだ。CDFのコンカレントエンジニアリングでは、必要なすべての専門家と設計ツールを1つの部屋に集結させるという特徴がある。これにより、設計変更はすぐに共有ソフトウェアモデル上で更新され、効果的かつ信頼できる方法で、設計の実現可能性とトレードオフを評価できるという。

Royal Huismanでは、開発期間の短縮に加え、最終設計の品質が飛躍的に高められたとしている。このコンカレントエンジニアリングは、衛星や大型ヨットのみならず、あらゆる複雑なシステムの設計に適用可能だとし、設計、建造から修理やサービスに至る、幅広いプロジェクトに適用している。

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Satellite design applied to superyacht
SEA EAGLE II SPREADS HER WINGS

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