スウェーデンのウイスキーメーカー、AIを使って究極のブレンデッドウイスキーを目指す

Photographer: Christian Hagward

現代社会のあらゆる分野で利用が進むAIだが、いよいよウイスキー作りにも活用されるようだ。スウェーデンのマックミラ・ディスティラリーは、マイクロソフトおよびフィンランドのコンサルタント会社と共同で、AIを利用したウイスキーの開発を行っている。

ウイスキーの原酒には大別して、大麦を原料とするモルトウイスキーと、トウモロコシや小麦などの穀物も使うグレーンウイスキーの2種類がある。ひとつの蒸留所で作られたモルトウイスキーだけを使うのがシングルモルト、2種類以上の原酒をブレンドして作るのがブレンデッドウイスキーだ。

ブレンデッドウイスキーには無限の可能性があり、ウイスキーのフレーバーとレシピ開発に責任を持つマスターブレンダーは、考え得る最高のフレーバーを作るため、テイスティングと実験に一生を費やすという。1999年創業のマックミラは、AIでこのプロセスを強化することを望んだ。

マイクロソフトの 「Azure」クラウドプラットフォームとAIコグニティブサービスによって駆動される蒸留酒製造所の機械学習モデルには、マックミラの既存のレシピ、販売データと顧客の好みの情報が与えられている。AIはこのデーターセットを使って、人気が出て品質も最高と予測される7000万以上のレシピを生成することができる。

マックミラのマスターブレンダー、Angela D’Orazio氏は、「私たちはAIの助けを借りてウイスキーを開発することにより、極めて伝統的なウイスキー業界の慣例に挑戦しています。AIに高品質のウイスキーを作る技能を補完させるのは、本当に興味深いことです。 マスターブレンダーとして、世界で最初に作られたAIウイスキーのメンターになることに大きな誇りを感じます」と述べている。

マックミラのAIウイスキーは、2019年秋から出荷される見込みだ。

関連リンク

Microsoft helps Mackmyra to create the world’s first AI-generated whisky

関連記事

アーカイブ

fabcross
meitec
next
メルマガ登録
ページ上部へ戻る