色覚異常補正用コンタクトレンズの開発に成功――市販レンズ表面にメタサーフェスを転写

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イスラエルのテルアビブ大学の研究チームは、色覚異常を補正できるコンタクトレンズを開発した。市販のハードコンタクトレンズの表面を特殊加工することで、シミュレーション上では色の見え方が10倍まで改善できることを確認した。研究結果は、2020年3月15日付けの『Optics Letters』に掲載されている。

人の網膜には、波長特性の異なる3種類の視細胞があるが、それらが十分に機能しない、もしくは不足している場合、色の見分け方が難しくなり、色覚異常と呼ばれている。その多くは、遺伝的な先天赤緑色覚異常で、例えば、赤と緑や、茶色と緑などの区別がつきにくく、日常生活に影響を与えている。

色覚補正用の眼鏡はすでに市販されているが、より便利で快適なツールを提供するため、研究チームは色覚補正用のコンタクトレンズの開発に着手した。そこで、ナノスケールの微細構造を持つメタサーフェスのもつ光学特性に着目し、レンズにメタサーフェスを組み込むことで色覚を補正できるようにした。問題は、湾曲したレンズの上にメタサーフェスを作製する方法だったが、非常に薄い金のメタサーフェス膜を平面基板からレンズ曲面に転写することに成功した。

メタサーフェスの光学特性は転写前後で変わらず、シミュレーション上では色の見え方が最大10倍改善し、失われていた視覚的なコントラストも回復するという結果となった。

研究チームは、ユーザーに合わせたカスタマイズが可能で、色覚異常だけでなく、屈折異常などほかの視覚障害も1枚のコンタクトレンズで補正できるだろうと、今後の臨床実験、そして実用化への展望を述べている。

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Metasurface-based contact lenses for color vision deficiency

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