Tesla、タブレス構造電極を持つバッテリーセルに関する特許を申請中

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Photo by Christian Ruoff/Chargedevs.com

2020年5月7日、米Teslaが電気自動車用のバッテリー開発に関する特許申請中であることが明らかになった。申請されたのはタブレス構造電極を持ったバッテリーセルで、出願公開された特許明細書によると、米国特許公開番号は「20200144676」、出願番号は「16/673464」と記載されている。

Teslaはバッテリーに関する特許申請を数多く行っているが、今回、このタブレス構造バッテリーセルの特許についてのツイートに同社のイーロン・マスクCEOがリプライしたことから、ファンの間で注目が集まっているようだ。

特許明細書の要約によると、このバッテリーセルは、カソード、アノードの2つの基板、そして2つの基板を分離するセパレーターが層状に重ねられロール状に巻かれた構造だ。1つの電極がタブレス構造になっているためオーム抵抗が小さくなり、コスト削減につながるという特許発明のようだ。

ロール型のバッテリーセルの負電極の基板シートは、シートの端に導電部がデザインされ、バッテリーセルの底部から電気的な接続が確保されているとみられる。通常のバッテリーセルでは、電極と電気的接続があるタブは電極の端あるいは中央部に固定されているため、電極からタブまでの距離が長くなり、その分、電気抵抗が増えてしまう。

一方、今回、発明された負電極の基板シートの一端全てが導電部となるタブレス構造では、電極シート基板の長さではなく、電極の高さが電気抵抗を決める長さになる。一般に、電極の高さは電極シート基板の長さの5~20%程度なので、電気抵抗は長さに比例して5〜20%小さくなるという。抵抗が小さくなることからジュール発熱も減少し、放熱性能の向上が大いに期待されるようだ。

さらに、従来のタブ構造であれば、電極からタブへの経路に偏りが生じる電流偏差がみられ、オーム抵抗が最も小さく、タブへとつながる最短経路に電流が流れて、局所的に過電圧が生じるホットスポットができる問題がある。電流偏差によるホットスポットはセルの寿命を短くするような望ましくない化学反応を引き起こす可能性があり、電流偏差を少なくすることがバッテリーセルには必要とされている。

セルの寿命を劣化させる望ましくない化学反応の例として、二次電池で負極にリチウム金属を使用した場合、負極上にリチウム金属の結晶が析出する「デンドライト(樹状突起)」現象が挙げられる。負極に析出したデンドライトは電池のインターカレーションを妨げ、蓄電池性能を低下させるだけでなく、極端な場合には内部ショート(短絡)も引き起こす。Teslaが発明したタブレス構造であれば、電流偏差も減少しバッテリーセルの寿命が延びるという。

また、バッテリーセルの上部のふたにも電極の基板シートとの電気的接続を増加させるような突起や凹凸、空洞など構造を工夫しているようだ。

関連リンク

CELL WITH A TABLESS ELECTRODE
Tesla Gained Another Battery Cell Patent: Cell With A Tabless Electrode

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