ドラッグデリバリーやバイオセンシング向けマイクロニードルを開発――刺すと抜けないミツバチの針を模倣

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生体にヒントを得た、後ろ向きの湾曲した返し(とげ)を備えたマイクロニードルが開発された。デジタル光処理3Dプリンティング技術を用いて作製され、従来のものに比べ組織接着性が強化されており、経皮ドラッグデリバリーや組織創傷治癒、バイオセンシングなどへの応用が考えられる。この研究はラトガース大学ニューブランズウィックキャンパスがピサ大学と共同で行ったもので、2020年2月4日付で『Advanced Functional Materials』に掲載された。

マイクロニードルは、長さ数百μmの小型針で、侵襲性が極めて低く、痛みがなく、使いやすいという特徴があるが、長期にわたるドラッグデリバリーやバイオセンシングに使用するには、生体組織への癒着性が低いという課題がある。自然界には、組織への接合性が高い微視的構造があり、寄生虫のマイクロフック、ミツバチの返しのついた逆刺状の針、ヤマアラシの針毛などにみられるが、こうした複雑な微視的特徴を持つマイクロニードルを作製するのは、従来の製造方法では困難だった。

そこで研究チームは、デジタル光処理3Dプリンティング技術によってマイクロニードルアレイを製造する方法を開発した。湾曲した返しの部分は、光硬化性ポリマー内の架橋結合の密度勾配を用い、脱溶媒和によって誘発される変形によって形成される。返しの厚さや曲率は、材料組成と印刷パラメータによって制御できる。

このようにして製作されたマイクロニードルは、非線維性組織モデルと線維性組織モデルの両方で、これまでのマイクロニードルよりも接着性能が高く、返しのないものに比べて18倍も高いことが示された。また、組織内での薬物放出が持続することも実証し、鶏の筋肉組織に、RhoBを6時間連続で放出した。

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4D Printing of Microneedle Array for Enhanced Tissue Adhesion

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