- 2020-7-28
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- Davide Scaramuzza, Intel, アクロバット飛行, クアッドコプター, シミュレーション, チューリッヒ大学, ドローン, 人工ニューラルネットワーク
チューリッヒ大学とIntelは2020年6月23日、ドローンと人工ニューラルネットワークを組み合わせて、自律的なアクロバット飛行を可能にするアルゴリズムを開発したと発表した。ニューラルネットワークのトレーニングのために人がドローンを操縦する必要はなく、シミュレーションだけで完結する。公開された動画では、4つの回転翼を持ったクアッドコプターが、ループやフリップ、バレルロールなど複雑なアクロバット飛行を披露している。
このシステムは、ドローンに搭載したカメラとセンサーからのデータを直接制御コマンドに変換するため、シミュレーション上で軌道パターンを教えれば、ドローンパイロットが何年もかけて習得するような難しいアクロバット飛行も、わずか数時間後にはドローンができるようになる。人が実演したり、実データで微修正する必要がないという。
研究チームを率いるDavide Scaramuzza教授は、「我々のアルゴリズムでは、優秀な操縦者でも難しいとされるアクロバット飛行を習得できる」と語る。現在は人による操縦の方が、予期せぬ状況や周囲の変化に素早く処理できるうえに、適応が速いものの、その俊敏性とスピードをフル活用して効率的に長距離を移動すれば、捜索、救助活動、配達サービスの拡大が期待できるだろう。