洋上風力発電を革新する――ノルウェーのスタートアップ、ヨットのように海上に浮かぶ2重反転型風力タービンを開発中

ノルウェーのWorld Wide Windは、新しい浮体式洋上風力発電タービンを開発中だ。互いに逆回転する2つのタービンが特徴で、シンプルな設計ながら、出力40MWまで拡張可能だという。

World Wide Windは、現在の垂直軸型風力タービンの欠点を補い、水平軸型風力タービンをしのぐ性能を目指すべく、2重反転垂直軸型タービン(CRVT:Counter-Rotating Vertical axis Turbine)を開発している。

大きな特徴は、木の枝のように伸びた2つのタービンだ。柱の上部と下部に付いたタービンは、円錐状の軌跡を描きながら、それぞれ逆方向に回る。一方のタービンをステーターに、もう一方をローターに接続することで、両者を逆回転させた点がポイントだ。さらに、海中に沈む発電機は、フローターおよびバラストとしても機能する。

風に傾く帆船のように海面に浮かび、ナセルやギア、ヨー制御のないシンプルなデザインは、ウエイクと呼ばれる風車の後方乱流を大幅に抑えながら風を海面まで導くため、効率も高いという。水平軸型に比べてウエイクが減少することで、タービン同士の距離は半分まで近づけられるため、同じ面積の中により多くのタービンを配置できる。

ブレード翼端の速度が遅いのでバードストライクを防ぎ、自然になじみやすい垂直軸型構造は野生動物への影響を抑えられるという。また、リサイクル材料も使用できる。同社は、高さ400m、出力40MWモデルの開発も可能だとしている。

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