ハエトリグサが正確な罠を仕掛けるメカニズムが明らかに――カギは水分量

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Photo: Plant Biomechanics Group

独アルベルト・ルートヴィヒ大学フライブルクの研究チームは、食虫植物のハエトリグサが獲物を捕まえる際の正確な動きを、生体力学実験とコンピューターシミュレーションから明らかにした。細胞組織の収縮/膨張プロセスと内部に蓄積されたプレストレスが深く関わっているとしている。研究結果は、2020年6月22日付の『米国科学アカデミー紀要(PNAS)』に掲載されている。

ハエトリグサは、二枚貝のような葉を「トラップ」として使って昆虫などを捕まえる食虫植物だ。獲物がトラップに仕掛けられた感覚毛に20秒以内に2回触れると、わずか100ミリ秒という短時間で葉を閉じて昆虫を中に閉じ込める。この植物に関する研究は進んでいて、獲物をどうやって認識するか、水滴と獲物をどのように区別するかといった事柄は、広く知られている。しかし、正確に高速動作するトラップの機械的原理は、ほとんど知られていないという。

そこで研究チームは、3Dデジタル画像相関法を利用して、トラップの内側と外側の挙動を解析した。デジタル画像相関法とは、計測対象の変形前後のデジタル画像を解析してひずみを算出する方法で、通常は製品や材料の検査などに使われることが多い。

さらに、デジタル画像相関法の結果を踏まえ、有限要素法を使って「仮想トラップ」を作り出し、トラップの構成や、機械的特性の影響を検証した。

その結果、プレストレス環境下にあるものだけが典型的な捕食行動を示し、それは水分量に依存していることが分かった。実際の植物を使って脱水テストを実施したところ、水分を十分に与えられたトラップだけが、素早くそして正確に葉を閉じることができた。蓄積されていたプレストレス(内部静水圧)を解放したためと考えられる。

植物に水を与えることで、細胞内の圧力が変化し、組織の挙動も変化する。正確なトラップに必要な構造は、内側から「収縮層」「中間層」「膨張層」の3つの組織層であることも判明した。

研究チームは、今回の結果はさまざまな作動原理を組み込んだ複雑な植物の機械的な動きを詳細に理解することに役立つとしている。

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