オムロンは2020年9月1日、組み込み型3D TOF(Time-of-Flight:空間認識/測距システム)センサーモジュール「B5Lシリーズ」の販売を開始すると発表した。同日より国内販売を開始しており、同年10月1日には海外でも販売を開始する。
近年、産業用途に加えて公共施設、商業施設などでの用途も広がっている自律走行ロボットなどでは、周囲の状況を3次元で捉えられる3D視覚センサーが必須となっている。しかし、従来のカメラや2D LiDARなどの技術では検出範囲が限定されており、複数の機器の組み合わせによる複雑な構造を採らざるを得ない点が課題となっていた。
同シリーズは、広範囲の人や物との距離を0.5〜4.0mの近距離でリアルタイム測定することが可能となっている。同社独自の光学設計技術が採用されており、耐太陽光強度は100,000lxとなった。従来のTOFでは困難であった太陽光下での安定した検出が可能なため、さまざまな環境においてより正確に対象物との距離を検知できる。
また、検出距離2m時の精度が±2%となっており、同社独自の回路設計と放熱設計により、寿命は連続駆動5年相当(同社調べ)となった。その他温度補正機能を内蔵しており、設計者側での補正処理が不要となっているほか、複数台を同時使用するアプリケーションに向けて最大17台にまで対応可能な相互干渉防止機能も搭載した。
解像度はQVGA(320×240ピクセル)で、使用時の周囲温度が0~+50℃、保存時はー20~+60℃(結露および氷結は不可)に対応可能。周囲湿度は使用時、保存時ともに35~85%RH以下(結露は不可)に対応可能となっている。同社は、ロボット以外にも、広範囲で行動する人をプライバシーを保ちながら検知する介護見守りなどでの用途も見込む。