バイオプラスチックの世界市場、2023年に2019年比117.2%の310.7万トンへ 富士キメラ総研調査

富士キメラ総研は2020年9月17日、バイオプラスチック(植物由来の原料を用いたプラスチック)の世界市場を調査し、その結果を「2020年 バイオケミカル・脱石油化学市場の現状と将来展望」として発表した。同社の予測によると、バイオプラスチックの世界市場は2023年に310.7万トン、PLAの世界市場は2023年に37.2万トンになるという。

調査では、バイオプラスチック18品目のほか、バイオプラスチックの原料にもなるバイオ化学品22品目、バイオプラスチックの添加剤3品目、原油や天然ガスを原料としない脱石化プラスチック3品目、バイオ燃料4品目のバイオケミカル・脱石油化学製品市場の現状を把握し、将来を予測した。

富士キメラ総研は、バイオプラスチックの世界市場が2019年に265.2万トン、2023年には2019年比117.2%の310.7万トンになると予測した。バイオプラスチックは、着実に容器、包装などで採用が増加し、市場が拡大している。国内外で特にPLAやバイオPEなどの採用が進み、バイオPBSやバイオPBATなど生分解性プラスチックのニーズが高まっている。

2020年は、PLAやバイオPE、バイオPETなどが拡大。しかし、自動車で採用が進んだバイオプラスチックの需要は新型コロナウイルス感染症の影響により落ち込んでおり、わずかだが市場の縮小が予想される。2021年以降は、メーカーの生産能力増強、バイオプラスチックの採用増加によって堅調な拡大が続くという。

用途別に見ると、ボトル類の比率がもっとも大きく、次いで軟包装フィルムが大きい。食品容器やストロー、カトラリーは、PLAの採用が多く、特にストロー・カトラリーは生分解素材ニーズが強い。自動車は塗料や各種部品、内外装材と幅広くバイオプラスチックが採用されている。PTTとバイオPETは一部の高級車で内装材、バイオPAは燃料ホースやラジエータータンクなどで採用される。

富士キメラ総研の予測によると、PLAの世界市場は2019年に19.3万トン、2023年には2019年比192.7%の37.2万トンとなる。バイオプラスチック市場をけん引しているPLAは、汎用樹脂レベルにポリマー価格が近づいている。近年では需要が増加し、供給が追い付いていない。今後、参入メーカーの生産能力増強や新規メーカーの参入も予想され、2020年以降も二桁成長が予想される。

バイオPEの世界市場については、2019年に16.0万トン、2023年に2019年比131.3%の21.0万トンになると予測した。2011年に生産が開始されたバイオPEは、市場が拡大している。石化由来品に比べて高価格だが、近年では採用企業も増えている。バイオエタノールを原料に生産されているが、今後、分解油を原料としたバイオPEの投入も予想され、生産量増加が期待されることから市場の拡大が予測される。

バイオPET・PEFの世界市場に関しては、2019年に53.0万トン、2023年に2019年比127.0%の67.3万トンになると見る。バイオPET市場は飲料用を中心としたボトル類の比率が高く、このほかにも食品容器や軟包装フィルムなどでも一定の需要がある。規模は小さいが繊維としての需要も増加している。PEFはサンプルベースの出荷で、2024年以降に本格的な展開が予想される。

バイオPAの世界市場は、2019年に4.8万トン、2023年に2019年比108.3%の5.2万トンになるという。自動車部品向けで安定した需要があるが、自動車生産台数の落ち込みによって2020年は市場が縮小すると見られる。しかし、バイオPA610やほかのバイオPAの増加が期待され、市場の拡大が予測される。

PDOの世界市場は、2019年は60.0万トン、2023年は2019年比108.2%の64.9万トンと予測した。主な用途はPTT繊維やウレタン原料、化粧品添加剤で、繊維として需要が拡大している。新型コロナウイルス感染症の影響で、2020年は市場が縮小するとみられるが、中国メーカーの参入により市場は拡大していくと予想している。

バイオケミカル・脱石油化学製品の世界市場は、2020年は縮小を見込んでいるが、2021年から2023年にかけては市場の拡大が予測される。バイオプラスチックは、石油由来品と価格差があるが採用する企業が増えている。バイオ化学品はグリセリンの規模が大きく、2020年は燃料需要減少によってグリセリンの生産量も減少し、市場が縮小すると見られる。しかし、バイオプラスチック向けでPDO、 バイオエチレン、バイオMEGなどが拡大していくと予測される。バイオ燃料は、2020年は縮小すると見られる。

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