アンリツは2023年6月5日、120Gbaud広帯域リニアアンプ「AH15199A」を開発し、同日より販売を開始すると発表した。
次世代イーサネット規格の800GbE/1.6TbEは、2ビット信号により単位時間当たりの伝送量を120Gbaudまで増加させるPAM4方式を用いる。通信の高速化に伴って信号の減衰量が大きくなるため、PAM4信号を忠実に増幅しつつ、変調器も直接ドライブできる高出力なリニアドライバが求められていた。
そこで同社は、−3dB帯域で周波数特性が105GHzと広く、120GbaudまでのPAM4信号を2.0Vppまで増幅できる広帯域リニアアンプを開発した。ゲイン特性が+16dBと高いほか、ジッタ特性が500fsと低い。高品質な波形を保ちつつ、伝送路で減衰した信号を増幅できる。
さらに、800GbE/1.6TbEのデジタルコヒーレントおよびIM-DD光変調器用ドライバとして、DSPなどの各信号源からの120Gbaud PAM4信号を増幅可能。高い振幅が求められる変調器などのデバイスを直接駆動できる。
消費電力は1.2W以下。また、19分の1に小型化した専用電源を標準装備しており、電源の取り扱い不備によるリニアアンプの破損リスクを低減した。
120Gbaud対応の高速光デバイス評価向けとして、光/電気高速デバイスメーカーや光信号試験用の計測器メーカーを対象としている。