キョーラクは2016年10月6日、同社の発泡ダクトを車載エアコンに使用した場合の燃費向上効果について、実車での測定データ取得に成功したと発表した。発泡ダクトによって断熱性能が向上することは明らかだったが、実際に走行車両の燃費に対して効能があると実証されたのは今回が初めてだという。
キョーラクによる今回の検証では、軽自動車においてエアコンを使用している状況下で、JC08モードの走行条件にて燃費測定を実施。その結果、同社製PP(ポリプロピレン)発泡ダクト板厚2.5mmを用いたとき、従来のPE(ポリエチレン)板厚0.8mmのインパネダクトを使用した場合に比べ、1リットル当たりの走行距離が2.8倍ダクトにて180m、さらに4.0倍ダクトにて255m向上することが実証された。
また、この燃費向上効果の数値は車両での軽量化で換算すると、実に15キロ以上の軽量化に相当する。車載エアコン用ダクトにはこれまでにも、軽量化を目的とした発泡化のニーズがあったが、この燃費効果実証によって一層の訴求力向上が見込まれる。
キョーラクは測定結果の詳細を、2016年10月にドイツで開催の「K2016(国際プラスチック・ゴム産業展)」にて公開する予定。また、この発泡ダクトの技術を世界に広めるために協力してくれるグローバルパートナーを募集している。