住友電気工業は2021年12月3日、従来のフッ素樹脂テープに比べて約1000倍の耐摩耗性を持つ「架橋フッ素樹脂FEXテープ」を開発したと発表した。既に量産体制を整えており、同月からサンプル出荷を始めて2022年4月から販売する。
架橋フッ素樹脂FEXは、同社のフッ素加工技術と電子線照射技術を駆使して、2012年に開発された。フッ素樹脂に比べて約1000倍の耐摩耗性があり、自動車や半導体、医療機器など幅広い製品のコーティングに使われている。新製品は架橋フッ素樹脂FEXをテープ状にしたもので、対象物に貼り付けるだけで架橋フッ素樹脂 FEXの耐摩耗特性を手軽に活用できる。
FEXテープを使えば、貼るだけで摩耗や剥離による部品の劣化を抑え、テープの交換回数を大幅に減らせる。メンテナンスの回数も抑えられ、対象物の寿命を延ばせるだけでなく、製品の傷付き防止や作業の効率化などの効果が見込める。また、高い滑り性によって機器への負荷を低減し、摩耗カスを減らせることから環境への配慮にもつながる。
FEXテープについて同社は、フッ素樹脂テープよりも幅広い製品に使用でき、コスト削減につながるとして、フッ素樹脂テープに代わる製品として期待を寄せ、2023年の年間売り上げを約1億円と見込んでいる。