- 2016-10-28
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- air bearing, Google, Solstin.org, Tesla
現在、道路に埋め込んだ送電設備からEVへワイヤレスで充電するシステムが盛んに研究開発され、一部実用化も始まっている。この分野では道路に埋設した送電用コイルから車両に搭載した受電用コイルへと給電する電磁誘導方式が主流だが、短時間に充電するために必要な電力を送るためには送電/受電コイルの間隔をできるだけ小さくして相互インダクタンスを大きくする必要がある。
Solstin.orgのBryan Richards氏は、車両側コイルの受電面から空気を吹き出すことで、非接触を保ちながら路面との間隔を狭められる「air bearing」という技術により、走行しながら短時間に大容量の充電が可能になるとしている。送電効率を高めることで、送電コイルを埋設した充電区間の間隔を広くすることができ、道路側の改修や保守の費用を抑えることができるとも述べている。
このシステムが想定通りの効率で稼働するためには、送電コイルと受電コイルの位置が離れないよう、充電区間の路面を限りなく平滑にすること、送信コイルのセンターライン上から外れないように走行させることなどの課題がある。同氏は、自動運転EVであれば、車が自動的にセンターラインを守り、コイルの位置ずれが軽減されて送電効率が維持できるため、ワイヤレスで200kWhクラスの急速充電システムが構築できるとしている。今後、自動運転車を開発しているGoogleやTesla、大手自動車メーカー各社とのシナジーも考えているようだ。