- 2021-10-20
- 化学・素材系, 技術ニュース, 海外ニュース
- CNN, David Reavley, NEOM, Solar Water, サウジアラビア, ソーラードーム, 太陽光エネルギー, 淡水化プラント, 紅海・アカバ湾沿岸, 資源回収処理(FIRrST)
サウジアラビアは、北西部の紅海、アカバ湾沿岸で未来都市建設プロジェクト「NEOM」を行っている。NEOMは敷地面積2万6500平方キロメートルの巨大プロジェクトで、世界経済の中心として貿易やイノベーションのハブとなることを目指している。NEOMの重点分野の一つが水の生産と供給で、2021年に日量33万3000立方メートル、2023年に日量100万立方メートルの海水淡水化を目指すとしている。
これに関連して、NEOMは2020年1月29日、イギリスに本拠を置くSolar Waterと契約し、太陽光エネルギーを利用したクリーンでローコスト、かつ環境に優しい水生産を行うと発表している。同社は、サウジアラビア北西部で最初のソーラードームによる淡水化プラントを建設中だという。
Solar WaterのCEO、David Reavley氏はCNNとのインタビューで、このプロジェクトは「ドームに覆われ、地中に埋められた鉄製のボール」と説明している。ガラスドームを囲むヘリオスタット反射板がドームの周りの日射を集中させ、熱が内部に流れ込んだ海水を加熱し蒸発させた後、淡水として凝縮する。Reavley氏によれば、この技術はカーボンニュートラルであるばかりでなく、より速く、より安価に構築できる利点があるという。
また、NEOMの水関連インフラとして、脱塩処理で残された塩水からの化学物質の抽出、海水からの資源回収処理(FIRrST)、廃水をリサイクルして灌漑に利用するなどの設備も計画されている。サウジアラビアは、NEOMを持続可能社会のモデルと位置付けている。