クモの巣からインスピレーションを得た新しいソフトロボット――対象物を静電接着して捕捉し自己清浄が可能

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韓国のソウル大学校(SNU)は、クモが巣を作る方法を応用し、静電駆動と汚れよけコーティングを用いて、センシングや接着が可能で自浄能力を有する独自の人工クモの巣を作製した。

クモは必要最小限の構造を基にして巣を作る。そうすることで、獲物がクモの巣に絡め取られたときに発生するごくわずかな振動を感知でき、獲物が絡みつくことで生じる巣の損傷も最小限に抑えられる。巣の損傷は、悪天候の後や細かいごみが蓄積した際にも起こる。クモは巣を清潔に保つため、ハープ奏者のように糸を繊細に引っ張って振動させ、巣に付いた異物を除去する。

SNUの研究チームは、このような洗練された効率性を持つモデルに基づいて、「イオンスパイダーウェブ(Ionic Spiderweb:ISW)」というソフトロボットを考案した。

ISWは、イオン伝導性オルガノゲルのコアが伸縮性と耐久性のあるシリコーンゴムで包まれるカプセル構造だ。高電圧の電気を流すと発生する静電接着現象によって、金属やポリマーから有機材料に至るまで、さまざまな物体を捕らえることができる。さらに、ISWには伸縮性があるので、静止長の3倍まで伸ばすことができ、その結果、自身の68倍の質量を持つ対象物を捕捉可能だ。

静電接着による捕捉は絶対に汚れが付かないという方法ではないので、異物が付着する可能性がある。そこで、ISWには対象物が捕捉範囲内に入った時のみ検知する機能があり、必要な場合のみ静電接着機能を開始できる。こうすることで、消費電力と異物付着が最小限に抑えられ、最終的には、このような検知機能がない機械と比較して、接着力が32.5倍も長く保たれる。

さらに、ISWは静電振動によって異物を除去できる。クモとは違い、電気を使用して糸と糸との間で交互に引き寄せ合い、特定の周波数で糸を振動させる。こうすることで、ISWは機能特性を最大98.7%まで維持できる。

この研究で実証された技術は、人工筋肉の生成から電子皮膚まで、さまざまな分野に応用できるという。研究チームは、ISWはソフトロボット革命の一部だとしている。

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There’s a new spider in town: advancing the field of robotics with ionic spiderwebs

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