屈折率1.8、1.9の高屈折率ナノインプリント樹脂を開発――光学設計の自由度の向上へ NTTアドバンステクノロジ

NTTアドバンステクノロジ(NTT-AT)は2021年3月25日、光学接着剤の製造で培った屈折率制御技術を活用し、光学設計の自由度を向上する屈折率1.8、1.9の高屈折率ナノインプリント樹脂を開発した。

NTT-ATによると、近年の視野角拡大を目的としたAR/VR向けガラスの高屈折率化に伴い、高屈折率ガラスと屈折率が整合する樹脂の需要が高まっているという。

そこで同社は、屈折率制御技術により、高屈折率の無機ナノフィラー(屈折率調整に用いられるナノメートルサイズの無機酸化粒子)の濃度を高め、高屈折率化を実現。それと同時に、樹脂の配合を最適化し、良好な透明性とナノインプリント性(樹脂にナノメートルサイズパターンの型を押し当てることで微細加工する技術)を実現した。

本製品は、高屈折率ガラス基板に適合し、ナノインプリントにより線幅50nm〜10μmのナノパターンを形成できる。さらに、波長400〜800nmの範囲で高い光透過性を備える。

そのため、スピンコートにより均一な薄膜の形成が可能だ。現在販売している屈折率1.7の樹脂では屈折率整合しなかった高屈折率ガラスに対して屈折率整合することから、光学設計の自由度の向上に貢献することが期待できる。

NTT-ATは本製品を、2021年6月から提供開始するとしている。

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