- 2021-5-7
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- Haldor Topsoe(ハルダー・トプソー), Roeland Baan, アルカリ電解槽(AES), プロトン交換膜(PEM), 再生可能エネルギー, 化石燃料, 固体酸化物形電解セル(SOEC), 水電解, 火力電力, 高温電解SOECテクノロジー
デンマークの大手エンジニアリング企業「Haldor Topsoe(ハルダー・トプソー)」が、再生可能エネルギーを利用した水電解の技術として有望視される固体酸化物形電解セル(SOEC)の大型製造施設を建設すると発表した。Topsoeの製造施設は2022年に着工し、2023年に完成の予定だ。
化石燃料の改質や火力電力による水電解ではなく、再生可能エネルギーを利用した水電解で水素を製造する技術にはSOECの他に、アルカリ電解槽(AES)、プロトン交換膜(PEM)などがある。これらに比べ、TopsoeのSOECは水素の生産量が30%多いという。また、グリーンパワーから水素を作る場合のエネルギー効率は高く、Haldor TopsoeのCEO、Roeland Baan氏は、「TopsoeのSOEC電解槽を使用すれば、電解槽に入る再生可能電力の90%以上がグリーン水素として保存される。これは、市場で利用可能な他のテクノロジーより遙かに効率的だ」と述べている。
Topsoeの施設で製造される製品は、独自の高温電解SOECテクノロジーに基づく産業規模の電解槽。Topsoeは、1年間に500メガワット相当のSOECを製造する。製造能力は5ギガワット相当まで拡張できるという。Baan氏は、「この新しい製造施設は、低炭素の未来に向けたエネルギー転換において主導的な役割を果たすための具体的なステップだ。目標達成への最も可能性の高いルートは、再生可能エネルギーによる電力を効率的に利用して、グリーン水素、燃料、化学物質を生産することだと確信している」と、述べている。