従来の約3倍、大気駆動安定性の高い皮膚貼付型光脈波センサーを開発 東京大学

東京大学は2021年4月14日、超薄型有機太陽電池で自立駆動する皮膚貼付型光脈波センサーを開発したと発表した。太陽光による自己発電を用いて脈波信号を計測することに、世界で初めて成功した。

柔軟な有機EL(有機発光ダイオード:OLED)は幅広く応用されており、ウェアラブル光源への応用も注目されている。しかし、これまでの超薄型の有機EL素子は十分な大気駆動安定性を備えておらず、皮膚貼付型で連続駆動できる光脈波センサーはなかった。

そこで東京大学大学院工学系研究科の横田知之准教授、甚野裕明特任研究員、染谷隆夫教授らの研究グループは、有機EL素子の電子注入層にドープされたポリエチレンイミン層を導入。大気安定な電子注入層と透明電極を組み合わせた逆型構造を持つ有機ELを開発した。酸化物や高分子材料を陰極として用いており、これまでの順型構造と比べ高い大気安定性を示し、発光効率11.7cd/Aを達成した。

開発した逆型構造有機ELを超薄型基板上へ作製した際、11.7時間の連続駆動後に初期の70%の輝度を保ち、高い大気駆動安定性を持つことを確認できた。この値は、これまで実現されてきた超薄型有機ELの約3倍の値となる。

次に、開発した超薄型有機ELを超薄型の有機フォトディテクタ、有機太陽電池と集積化し、太陽電池のエナジーハーベストによって駆動する「皮膚貼付型光脈波センサー」を作製した。

全ての素子が超薄型で柔軟に作製された光脈波センサーは、皮膚に長時間貼り付けても装着感が少ないことに加え、太陽光を用いて発電して自立駆動する。従って、外部の電源との接続、給電の必要がないという。人体の皮膚に実際に貼り付けた際は、太陽電池の電力によって光脈波センサーが駆動し、脈拍77bpmの脈波を計測した。

将来的には、遠隔医療や日常生活の医療ケアに活用する医療補助デバイスへの応用が期待できるという。

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