カーボンナノチューブ強化特殊シリコン製ブレードでフレーム交換不要のフロントガラス用ワイパーを開発

韓国のKimbladeは、2021年3月23日、Kickstarterで自動車のフロントガラス用ワイパー「KIMBLADE NANO」を発表した。2021年5月12日までクラウドファンディングを実施し、目標額1万ドル(約110万円)を達成。

Kimbladeはフロントガラス用ワイパーを開発製造している会社で、これまでにもKickstarterなどで第1世代に当たる「KIMBLADE」のクラウドファンディングに成功している。KIMBLADE NANOは同社が開発した第3世代に当たるワイパーで、これまでに資金援助したバッカーたちからのフィードバックに対応し、アップグレードした製品となっている。

KIMBLADE NANOは、4つのバーを連結させた構造のワイパーブレードを採用しており、フロントガラスの表面を従来品より少ない接地面で拭き取ることで、滑らかで完璧かつきれいに仕上げることができる。また、ワイパーブレード上部と下部では異なる特製シリコン素材が使用されていることが特徴だ。

今回、材料の耐久性を向上させるために、カーボンナノチューブ(CNT)材料を利用し、コンクリートに鉄筋を埋め込んで補強する鉄筋コンクリートのように、シリコンにCNTを補強材として加えた。このCNT強化特殊シリコンでワイパーブレードを作ることで、柔軟性を維持しながら耐久性を向上させ、機械的強度を高めることができた。

CNT強化特殊シリコンは、ガラスに直接触れるブレード下部(先端部)に使用されており、フロントガラスに付着した雨や水滴を拭き取る。また、異物による裂けを最小限に抑え、ガラス上でスムーズに動く。さらに、はっ水剤などの特殊物質がブレードに塗布されており、ワイパースキージーからフロントガラスにはっ水コーティング剤を施す。特殊な二層構造シリコンで作られているKIMBLADE NANOは、屋外の過酷な環境下に長期間さらされても変形や腐食が起こりにくい。

従来のワイパーブレードとフレームは、寿命が来たら交換しなければならないが、KIMBLADE NANOのワイパーフレームは交換する必要がない。万が一、鋭利な物などが刺さってブレードが裂けてしまった場合でもブレードのみ交換でき、リサイクル可能だ。

KIMBLADE NANOの価格は、ワイパーブレード1セット、スペアブレード1セット、クリーナー、トリートメントのセットで65ドル(約7100円)だ。発送は2021年6月予定となっている。

関連リンク

Average Windshield Wiper Reinvented
KIMBLADE NANO: Wiper blade solution completed by Nanotech.

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