祖母のために新しいコミュニケーションデバイスを開発――受信メッセージは感熱紙に印刷

Manu/Twitter

スペイン在住のコンピューターエンジニアであるManuel Lucio氏が、2021年4月19日(日本時間)、お年寄りが孫とのコミュニケーションを保つためのデバイス「Yayagram」を作製したと自身のTwitterアカウントでツイートし発表した。

「Yaya」とはカスティーリャ語(標準スペイン語の基盤になった方言)で「祖母」を指す愛称で、「おばあちゃん」という意味だ。デバイスはメッセージ送受信にチャットアプリの「Telegram」を使っており、「Yaya」と「Telegram」を融合させて「Yayagram」と名付けたという。

製作者の祖母は96歳。関節炎を患っているためタブレットの仮想キーボードを使うことはできない。また、難聴のため電話を使うことも困難で、ビデオ通話も理想的なものではなかった。そして、新型コロナウイルス感染拡大防止による移動制限のため、祖母に会いに行くことができなくなっていた。

そこで、祖母のために開発されたのがYayagramだ。まず、新しい音声メッセージを送るには宛先を選ぶ。宛先の選択方法は、かつて電話交換手がやっていたように、あらかじめ宛先を設定してあるコネクターにケーブルを差し込んで接続するというやり方だ。新しい音声メッセージは、録音ボタンを押したまま話し、録音ボタンから指を離すと録音されたメッセージが送信される。

メッセージを受け取った人がテキストメッセージで返信すると、Yayagramは受信したメッセージを感熱紙に印刷し、昔の電報のように、紙でメッセージを読めるようにする。

このデバイスの頭脳となるのはRaspberry Pi 4で、Pythonでプログラミングしており、外部ライブラリをいくつか使って完成させている。その他は全てアナログで、ジャックコネクター、LED、ケーブル、プリンター、マイク、ボタンなどが用いられている。

Yayagramを使うことで、「おばあちゃん」はもっと自立して孫とやり取りできるようになり、コミュニケーションの改善に役立つとしている。

製作者は、近いうちにInstructablesでビルドの詳細をまとめたプロジェクトを公開し、GitHubでもソースコードを公開する予定だという。

関連リンク

Manu(Twitter、本人による英訳)
Manu(Twitter、スペイン語)

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