プラスチックを一切使用していない環境に配慮したサステナブルな紙素材を開発――竹/さとうきび/市場回収したリサイクルペーパーが原料 ソニー

ソニーは2021年6月9日、環境に配慮したサステナブルな紙素材「オリジナルブレンドマテリアル」を開発した。産地を特定した竹/さとうきび/市場回収したリサイクルペーパーを原料にしている。

オリジナルブレンドマテリアルは、耐久性や強度の高いリサイクルできる紙素材で、プラスチックを一切使用していない。同社は今回、このオリジナルブレンドマテリアルを完全ワイヤレス型ヘッドホン「WF-1000XM4」のパッケージに採用。素材の持ち味である様々な色合いを生かすために無着色で使用している。

オリジナルブレンドマテリアルを使用した紙

ワイヤレスノイズキャンセリングステレオヘッドセット
「WF-1000XM4」のパッケージ

オリジナルブレンドマテリアルの原料として使用する竹は、さとうきびと同様に短期間で成長する植物で、必要な分を選定して伐採する。竹山全体を持続可能な育成サイクルにすることで、自然への影響を軽減するという。

採用する竹は、中国・貴州の3つの山で栽培しているものに限定。竹は、山に生息するパンダの餌となる竹とは異なる種類のものを原料に使用している。

さとうきびは、砂糖を生成する過程で残る搾りかすを使用。搾りかすは、タイ・ナコーンサワン半径100km圏内の畑で栽培されたさとうきびのものに限定して使用している。通常さとうきびの搾りかすの多くは発電燃料として燃やされ、二酸化炭素排出の原因となっているが、オリジナルブレンドマテリアルに採用することによってリサイクル可能な循環型資源として活用できる。

オリジナルブレンドマテリアルには、同素材を使ったパッケージの生産地で市場回収したリサイクルペーパーを使用し、環境に配慮している。また、リサイクルペーパーと竹やさとうきびを組み合わせ、強度をもたせている。着色せずにリサイクルペーパーの素材を生かしてユニークな風合いを提供することもできる。

竹/さとうきび/市場回収リサイクルペーパーを配合したオリジナルブレンドマテリアルは、ブレンドの比率を変えることで様々な形状にできるため、活用の幅の広がりが期待できる。

オリジナルブレンドマテリアル展開例

WF-1000XM4のパッケージでは、オリジナルブレンドマテリアルを全体に採用し、分別することなく、リサイクルに出せるという。エンボス加工もできるため、インクを使わずに文字を入れるなど、一層の環境配慮ができる。

WF-1000XM4のパッケージで使用している
オリジナルブレンドマテリアルパッケージ

エンボス加工

同社は今後も、商品のパッケージへの使用を進めていく。また、オリジナルブレンドマテリアルの成り立ちも発信し、ユーザーとももに環境への取り組みについて考えていくきっかけにすることも目指す。

関連リンク

プレスリリース

関連記事

アーカイブ

fabcross
meitec
next
メルマガ登録
ページ上部へ戻る