米空軍、超音速ミサイル弾頭の作動に初成功

Photo by: Team Eglin Public Affairs

米空軍は、開発中の「AGM-183A」空中発射型即応兵器(ARRW)の弾頭の起爆に成功したと発表した。

AGM-183Aは、Lockheed Martinが米空軍向けに開発中の極超音速ミサイル。「B-52H」戦略爆撃機から空中発射され、マッハ7を超える速度で飛行する。射程距離は約925kmだ。

弾頭の起爆を行ったのは、フロリダ州エグリン空軍基地所属の第780試験飛行隊。試験の内容は明らかにされていないが、この起爆は空対地、ロケット推進、高高度、極超音速ミサイルの最初の試験で、兵器独特の殲滅力(lethality)に関するデータが収集できたとしている。

ARRWプログラムではミサイルの高速コンポーネントの開発のために米国防高等研究計画局(DARPA)の戦術的ブーストグライド(TBG)技術が利用されている。ブーストグライドは、弾道飛行体や宇宙船が高層大気で空気力学的揚力を利用して「スキップ」することで、再突入までの距離を延伸する飛行方法。不規則な軌道を描くため、追跡や迎撃が難しいといわれている。

AGM-183A ARRWには、ロケットが弾頭を高速に推進するための極超音速ブーストグライドシステムが採用されている。AGM-183Aの弾頭は加速後にロケットから切り離され、無動力グライダーとして目標に向かって飛行する。AGM-183Aのエアロシェルは高高度から落下し、極超音速グライダー弾頭が分離して極超音速で目標に向かって滑空し、強力な爆弾と同等の破壊力を生み出す。

AGM-183Aの早期作戦能力(EOC)の達成は、2022年9月の予定だ。

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