AIを活用して紛争を数日前に予測――米軍、防衛システム実験「GIDE」を実施

U.S. Air Force photo by Tech. Sgt. Tommy Grimes

アメリカ北方軍(NORTHCOM)のGlen D. VanHerck司令官は、2021年7月8~15日にかけて「GIDE(Global Information Dominance Experiments)」と呼ばれる防衛に関する実験の3回目を行ったと発表した。AI(人工知能)やML(機械学習)を組み合わせてデータを解析し、自国に対する脅威を数日前に予測できるという。

GIDEは、指導者へ先を見越した選択肢を提供し、より迅速な意思決定を促す。2020年から始まったこのプロジェクトは、実験を重ねるごとに機能と参加部隊を拡大させていった。今回は、NORTHCOMとNORAD(北米航空宇宙防衛司令部)が11の戦闘軍全てと協力し、データや情報を速やかに確認することができたとしている。

GIDEでは特別な技術を新規開発するのではなく、既存の衛星、レーダー、コンピューターネットワークなど、今日使えるデータと情報を有効活用する点がポイントだという。軍用だけでなく商用データなど世界中のセンサー情報を領域認識のために使っている。例えば、監視対象地域の車両数の変化を評価し、閾値を超えたと判断されれば、より詳細を調べるように注意喚起できるという。

データはクラウドで共有し、AIとMLが迅速に処理して意思決定者に提供する。VanHerck司令官は、それを「意思決定の有意性」と呼び、数日前に脅威への対応と警告ができるとしている。

関連リンク

NORTHCOM Commander Gen. Glen D. VanHerck Conducts Press Briefing on North American Aerospace Defense Command and U.S. Northern Command Global Information Dominance Experiments
NORAD, USNORTHCOM lead 3rd Global Information Dominance Experiment

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