再生可能エネルギーを有効利用するためのエネルギー貯蔵ソリューション――投資ラウンドシリーズCで1億ドルを調達

重力を利用したグリッドスケールのエネルギー貯蔵ソリューションを独自の技術で開発したスタートアップのEnergy Vaultは2021年8月25日、投資ラウンドシリーズCで1億ドル(約110億円)を調達したと発表した。

再生可能エネルギーの力を真に活用するには、太陽が出ないときや風が吹かないときに備えて、信頼性が高く柔軟な貯蔵ソリューションを開発する必要があると考えたEnergy Vaultは、他の選択肢よりも効率的で耐久性があり、環境的に持続可能なアプローチにより、24時間年中無休でクリーンエネルギーの需要に応えるように設計されたシステムを開発した。

同社のエネルギー貯蔵システムは、重力と位置エネルギーという従来の物理学の基礎を応用したものだ。基本的には大きな固体ブロックとそのブロックを上下に昇降させる機械式装置を備えた高いタワーで構成されており、リサイクル素材や現地調達した素材で作られたブロックを昇降させることで、エネルギーを貯蔵したり放出したりする。

Energy Vaultは、2020年にエネルギー貯蔵システムの商業規模展開に成功し、2021年4月には新しい「EVx」プラットフォームを発表した。EVxは、耐用期間やブロックの往復効率など性能が向上しており、高さも従来より低くしたモジュール式設計を採用している。その結果、2~4時間の補助サービスを伴う高出力かつ短時間の用途に経済的に対応しつつ、5~24時間以上という長時間のニーズにも円滑に拡張し対応することができる。蓄電容量の経年劣化が全く発生しないため、ブロックをつり上げた状態のままにすることでシステムの位置エネルギーを無期限に蓄えることができる。

今回同社が調達した資金は、この革新的なEVxプラットフォームの複数大陸での展開を強化し、同社の成長計画の実行支援に使用される予定だ。この計画には、アメリカ、中東、ヨーロッパ、オーストラリアの市場における強力な顧客契約のパイプライン構築を含む。2021年第4四半期にアメリカでの展開を開始し、2022年にはより広範な世界規模での展開を開始する予定だという。

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Energy Vault Announces $100 Million Series C Funding

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