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GSアライアンスは2021年7月6日、同社が開発している固体酸化物型燃料電池用の電極や固体電解質などを応用し、バイオエタノールを燃料とした固体酸化物型燃料電池(SOFC:Solid Oxide Fuel Cell)を開発したと発表した。
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開発した固体酸化物型燃料電池(SOFC)
燃料電池の燃料としては水素が多く用いられているが、水素は貯蔵が難しいため、コストが高くなってしまう点が課題となっている。このため、より貯蔵しやすいアンモニアやメチルシクロヘキサン、ギ酸、メタノール、ヒドラジン、アンモニアボランといった液体および固体燃料の検討が進んでいる。
同社は今回、既にインフラ設備が整っている燃料として、バイオエタノールを用いた固体酸化物型燃料電池を開発した。濃度約33%のエタノール(残りは水)を燃料として用いたもので、純粋な水素を燃料とした時と比較して約8割の発電量を有することが確かめられた(冒頭の画像)。
ただし、エタノールは炭素を含んでいることから、燃料電池の電極表面における炭素析出が課題となりうる。このため、同社は今後他の材料や周辺技術も検討し、発電量の向上や炭素析出の抑制、耐久性の向上などを図る。
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燃料電池の電子顕微鏡による断面写真
また、同社は廃木材や竹、廃紙、古紙、廃食品といったバイオマス廃棄物からバイオエタノールを作成する技術も有しているため、今後はバイオマス廃棄物から製造したバイオエタノールを燃料に用いられる可能性もあるという。